ふるさと相生再発見

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 相生は中世王家領矢野荘の領域を受け継ぐ小都市です。大正時代、鈴木商店が播磨造船所を拡張し、昭和40年代世界一の建造量を誇る工業都市になりました。秦河勝・王家・東寺・海老名・浅野・鈴木商店と一つの町で日本史が学べてしまう日本の縮図のような街です。

 しかし、歴史は学ばなければ自分のものにはなりません。人間、生まれて育ったというだけでは、ふるさとを理解するというわけにはいかないのです。私は、進学・就職で相生を去り、50才近くになって相生に戻ってきました。それから、十年にわたり、相生という町がどのようにして成立したのか、これからどのようになっていくのか、考えながら、歩いたり・読んだり・話したりして、2012年に「ふるさと相生再発見」を書きました。

 それから、10年余りが経過しました。今回、Amazonのペーパーバックを利用して、「ふるさと相生再発見」を復刻します。本文はそのままに、白黒写真の一部をカラー写真を入れ替え、最後に2頁を追加しました。相生在住の方、相生出身の方には、自分の育った街がこんなに面白い歴史をたどった街だったのかと認識する材料になると思います。

 また、日本史が好きで、ゆっくり歴史を楽しむツーリズムの観光地を探している方には、格好の案内書になるはずです。あいおい矢野荘は、一つの小都市で古代の古墳から、中世の荘園、近世の旗本領、近代の工業化を学ぶことができます。観光客はまったく来ません。日本史の研究者に「宝石箱」と賞されるフィールドが静かにあなたを待っています。

 しかも、アクセスは抜群、山陽新幹線相生駅は王家領矢野荘の真っただなかにあります。でも、観光ガイドブックには載っていないし、相生駅前にも表示はありません。新幹線が停車するのに秘境(知られていないという点で秘境)のあいおい矢野荘に旅をしてみましょう。本書は、あいおい矢野荘を見て歩くための最高のガイドブックです。